2017年10月31日火曜日

今井科学 「黄金バット(中)」のプラモデル

~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~
(第116回)
 

今回は黄金バットのプラモデルから、中サイズの再販模様をご紹介いたします。
 
プラモデルは、1967年6月~8月にかけて3種類が今井科学から発売されました。


その中でも中サイズは、2000年代発売までで6バリエーションの版が確認されています。

今井科学の中でも、サンダーバードシリーズ以外では、これほど長期に渡って「定期的」に再販を繰り返してきたキャラクタープラモデルは無かったはずです。売れ筋だったということもありますが、「ゴム動力によって黄金バットが立ち上がる。」といったギミックも、コスト的に再販しやすかったんだと思います。
 
それでは、成形色やビニール製のマントの色違いなど、各版の違いなどを紹介していきます。
 
 
(1) 初版 黄金バット
イマイジュニアシリーズNO.8。1967年7月発売で当時価格は150円。箱サイズは20.8×14.2×3.5センチ。品番はKIT NO.487。
成形色は金メッキではなく金色成形色。ビニール製のマントは黒色。
未組立は、今井科学物の中でTOPクラスのレア度。
デカールが入っているのは、この初版のみ。なので、「デカール」が貼ってある完成品は初版と考えて間違いない。
デカールは画像のように、目、肩、膝下、棺に貼られている。
 
 
(2)2版 黄金バット(70年代版)
1975年頃発売で当時価格250円。箱サイズは20.6×14×3.5センチ。品番はB-104-250。
画像は値上げ後の300円箱。
パーツは金メッキ仕様。ビニール製のマントは初版と違い赤色。デカールは無し。
250円時は棺が赤色成形色だったものが確認されている(黒色もあったかは未確認)。 
 
 
(3)3版 黄金バット(80年代版)
1980年頃発売で当時価格は300円。箱サイズは22.5×15.5×4.6センチ。品番はB-104-300。
成形色は1967年発売の初版は明るい黄金色だったが、それよりも暗い濃いカーキー色に近い金色。ビニール製のマントは初版と同じ黒色。デカールは無し。
組立書は、若干のインク色違いはあるが、2版3版共に内容は同じ。
 
 
(4)4版 黄金バット(90年代版)
1997年7月発売で当時価格は1000円。箱サイズは20.9×14.4×3.5センチ。品番は827313-1000。箱はシュリンク済みで出荷。
パーツは金メッキ仕様。ビニール製のマントは赤色。この版からマントは長方形のビニールシートが入っているだけで、組立書のマント原寸図をあてがい、自分で切り取る仕様となっている。デカールは無し。
 
当初、この4版は黄金バットLDのスペシャルBOXの特典用として2版を再現した物で、その後に単品でも発売された模様。
2版との見分け方は、側面にバーコードがあったり、値段表記が違うなどもあるが、正面からでは、下図のように「ST表記」部分のデザイン変更の違いが分かりやすい。
組立書は2版3版の物とは違い、組立書に上画像右のようにマント原寸図が追加されている。
 
 
(5)5版 黄金バット(90年代版・夜光バージョン)
1999年8月発売で当時価格は1000円。箱サイズは22.3×15.3×4.5センチ。品番は830276-1000。
パーツはルミナスボディ仕様。
ビニール製のマントは赤色で、自分で切り取る仕様となっている。デカールは無し。
ルミナスボディとは、夜光パーツのこと。棺はスモークブラックの透明パーツとなっているので、黄金バットが棺に入っていても、青白く光って見える。
組立書は4版と同じ仕様。ルミナスボディが説明された別紙も入っている。
 
 
(6)6版 黄金バット(2000年代版)
2001年7月発売で当時価格は1500円。箱サイズは22.5×15.3×4.6センチ。品番は831860-1500。
パーツはマジョーラボディ仕様。棺は黒色成形色。
ビニール製のマントは赤色で、自分で切り取る仕様となっている。デカールは無し。
マジョーラボディとは、玉虫のように見る角度によって色が変わる塗装のこと。
組立書は4版5版と同じ仕様ですが、MAZIORAのロゴが追加されています。
 
 
最後に各版の側面がわかる画像を紹介します。



絶版プラモデルの探究は本当に面白いですね。
ぜひ、今回の逸品も、コレクションにお加えください。
 
 
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2017年10月17日火曜日

今井科学 「黄金バット(大)」の組立書

~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~
(第115回)
 
今回は、今井科学の黄金バット(大)の「組立書」を紹介いたします。


サンダーバードブーム真っ只中の1967年8月発売で当時700円。
商品番号はKIT No.412。箱サイズは33.6×23.3×7センチ。
目を光らし(点灯)、アゴを動かし、腕を振り上げる!というギミックを持つ、完成全高約23センチの大型モデル。
 
 
それでは、そのギミック含め、組立書を紹介いたします。


腕はギヤのカムにより、徐々に振り上げ、ストンっと落ちる感じです。
点滅金具もカムで押されて点灯する仕組みです。

黄金バット本体は、台座に固定されます。マントの内部の赤色は出荷時塗装済みです。


アゴは、28パーツが上下される度に開け閉めされます。

電源スイッチはONにより、スイッチ金具を電池に押し当てるタイプです。

当時のキャラクター電動プラモデルといえば電動歩行物が一般的で、黄金バットのように歩行せず、台座固定のプラモデルはほぼありませんでした。他で思い当たるところでは、黄金バットよりも数年前に発売されたマルサンの「そば喰い ブースカ」ぐらいです。商品化まではいかなかったようですが、マルサンは電動のバルタン星人を企画し、それが黄金バットのように台座固定のもので、金型まで制作されたという話もあります。

組立書だけでも、それを熟読することでコレクションの楽しさは広がりますね。


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