~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~
(第81回)
今回は、宇宙空母「ブルーノア」のプラモデルを紹介いたします。
プラモデルは、
野村トーイから1種と
バンダイから4種の
計5種が発売されています。
●野村トーイ 宇宙空母「ブルーノア」
野村トーイの宇宙空母「ブルーノア」。当時1000円で、箱サイズは19×32×5.5センチ。
価格と箱のサイズは、野村トーイが発売した宇宙戦艦ヤマトの名作プラモデル「1/1000 アンドロメダ」「1/1000 ナスカ」と同じ。付属する台座も、成形色は違うが、野村トーイ1/1000ヤマトシリーズと同じ物を使用している。
デカールは水スライド式ではなく、シールを使用。 宇宙戦艦ヤマトは1/1200、1/1000と展開していたが、
ブルーノアは1/1300スケールとされた。
最大の特徴は、バンダイ版が「小型潜水艦シイラ」と「戦闘ヘリ」を分離合体できるのに対し、
野村トーイ版は分離合体は「小型潜水艦シイラ」のみで、「戦闘ヘリ」は本体と一体造形で分離ができないことである。
発売時期はバンダイ版よりも遅かったと記憶している。
●バンダイ 宇宙空母「ブルーノア」
バンダイ 宇宙空母「ブルーノア(36136-800)」。発売は1979年11月で当時800円。
箱サイズは20.5×36×5.5センチで野村トーイ版よりも大きい。
1979年10月発行の模型情報No.3に発売予告が紹介されている(下図)。
1978年からはじまった、アニメブームによるヤマト売上爆発の恩恵か、この時期のバンダイ商品群には、「ガッチャスパルタン」「シルバーガル」「スカイターボ」「がんばれタブチく」「ドラえもんのタイムマシン」などなど、
傑作・名作が多い。 さらに、
水面下でガンダム版権取得を画策し、12月に見事取得に成功した時期というのも忘れてはならない。
ブルーノアの組立書。「小型潜水艦シイラ」と「戦闘ヘリ」の分離合体がよくわかる。
合体分離のスムーズさや造形など、バンダイ模型の中でも、非常に評価が高く、
名作と呼ばれている逸品である。潜水形態変形の際には、砲塔は内臓バネにより、艦内に収納される仕組みになっている。
●バンダイ メカコレシリーズ
メカコレシリーズとして、3種発売されている。
当時価格は100円で、箱サイズは8.5×15.5×3.8センチ。
価格、サイズ共に宇宙戦艦ヤマトのメカコレと同じだが、シリーズ番号はブルーノアの独自の物を使用。
No.1の
「ブルーノア(36137-100)」は1980年1月発売。
No.2の「艦載戦闘機(36138-100)」は3月発売。
No.3の「戦闘ヘリ(36139-100)」は3月発売。
そのためか、3種の
箱デザインには統一感が無い。
800円のブル-ノアに付属する「戦闘ヘリ」とメカコレの「戦闘ヘリ」は、
サイズはほぼ同じだが別物。メカコレの開発コンセプトは、スケールなど気にせず、箱に入るランナーサイズで設計するというものなので、たまたまサイズが近くなったと思われる。
バンダイのメカコレサイズの100円プラモデルは、「ブルーノア」の他にも、「科学忍者隊ガッチャマンⅡ」「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」「ザ・ウルトラマン」「ムテキング」などもある。
「宇宙戦艦ヤマト」の初期10種は1979年1月初年度850万個も売り上げたという。
ひと昔前までは、バンダイ版よりも野村トーイ版の方が評価額は高かったが、現在ではバンダイ版の方が上である。
絶版プラモデルの探究は本当に面白いですね。
ぜひ、今回の逸品も、コレクションにお加えください。
(
みくに文具 上田大)
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