2023年7月31日月曜日

バンダイの「鉄人28号」初版と復刻版比較

 ~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~

(第254回)

今回の絶版プラモデル情報局は、バンダイの電動歩行「鉄人28号」の初版復刻版を紹介いたします。


●バンダイ 電動歩行「鉄人28号(初版)」
1970年9月発売で当時500円。品番は5250-500、箱サイズは25.5×18.5×5センチ。FA-15モーター1個、単2乾電池2本使用。

電動歩行の「鉄人28号」といえば、今井科学が発売した国内最初のキャラクタープラモデルとして有名です。今井科学の倒産により、金型はバンダイに引き取られ、当時バンダイが展開していたロボットシリーズの一員として発売されました。

箱表記違いは確認されていませんが、デカール違いは確認されています。
上画像の個体のデカール文字「鉄人28号」は黒色です。復刻版のデカールは黄色文字の方になっています。 今井科学時代のデカールは黒文字なので、バンダイの初期出荷分は、工場に残っていた今井科学時代のデカールの余りをそのまま使用していたと思われます。黄色文字のデカールには「バンダイ」の文字が入っています。
胸窓や目用クリヤーパーツは青色です。復刻版もそのまま青色クリヤーになっています。
箱側面にST表記はありません。


当時のバンダイカタログです。
1970年8月、バンダイのロボットシリーズは「ロボット4騎士」として「ミサイラー」「ハリハリ」「アタックボーイ」「ガードマンロボット」の4種で始まり、その後「ハーキュリーズ70」「鉄人28号」の順でロボットが追加されました。

仮面ライダーなどのキャラクタープラモデルが充実しだした時期のバンダイカラーカタログのロボットシリーズのページです。
最終的には9種類のロボットシリーズとなりました。



最初の再販は「模型情報」1985年7月号に告知が掲載されました。
この時は、「復刻」ではなく「再販」としています。


●バンダイ 電動歩行「鉄人28号(再販版)」 
1985年8月発売で700円。品番は0504511-700。
電動歩行ギミック無しのプラパーツとデカールのみ。パッケージには「お客さまへ」のシールが貼られています。

箱中には印象的な赤い台紙は、初版の赤台紙を受け継いだ仕様です。
透明パーツは初版と同じブルー。デカールも黄色文字。箱側面には初版にはないST表記

組立書は当時のままを茶色紙で再現。動力なしの本当の組立書も同封(左の小さい白紙)。


そして2年後、1987年限定復刻版として再登場します。 
模型情報1987年3月号より
同時にグレートマジンガー、ゲッターロボG、グレンダイザーなどの他ロボも動力なしで復刻されました。箱がシュリンクされ、シリアルナンバーが貼られているのが特徴です。

1985年再販との「版権シール違い」「お客さまへ」シール無しも、この時期かと思われますが、情報収集中です。


(版権シール比較)
「お客さまへ」シールが貼られていないと、箱表面画像のみでは初版かわかりずらいのですが、その場合は版権シールが指標となります。


初版との組立書比較です。
バンダイの住所周り©光プロ表記の追加などに違いがあります。


現在確認できていませんがカラーカタログ掲載時期を考えると、電動初版も後期出荷版があり、ST表記有りのパッケージだった可能性もあります。その場合は、組立書にST表記がされるので、復刻版のような仕様だった可能性があります。


最後に、今井科学時代の電動歩行「鉄人28号」のパッケージ違いを紹介しておきます。

資料協力:Henry氏


絶版プラモデルの探究は本当に面白いですね。
ぜひ、今回の逸品も、コレクションにお加えください。
 
 
みくに文具 上田大)
 


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