~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~
（第193回）
今回は発売中の「昭和40年男」で連載している、みくに文具のプラモ棚「第13回 バルタン星人のプラモデル」の補足情報です。
昭和40年男の最新号は、全国の書店、コンビニに並んでいると思いますので、ぜひ、お手に取りください。「補足情報」は、お手元の40年男と比較しながらお楽しみ下さい。
●誌面のブルマァクのバルタン星人完成品と比べてください。
※右画像は「バルタン星人 不滅のダークヒーロー」より（コスミック出版 2009年12月18日発行）
新マンに登場したバルタン星人Jrは、どう見ても、プラモデルを参考に造形されたように感じるのは私だけでしょうか？
番組登場時期も、誌面で書いた通りですし、スポンサーのブルマァクへの忖度っぽい感じもします。
●ブルマァクのバルタン星人に貼られている「版権シール」は、ST無し含め、全て「帰ってきたウルトラマンシール」となってます。因みに、キングジョーやエレキングは「セブン」の版権シールが貼られています。
●パッケージの構図に近いものが、怪獣図鑑にあります。
※講談社/昭和62年（1987年）4月14日発行「ウルトラマン大全集」から
怪獣図鑑の第一号だそうで、そのNo.4カードの「バルタン星人」に構図が似ています。
深読みすれば、ブルマァクのパッケージは、最古の怪獣図鑑バルタン星人をオマージュさせ、梶田氏ならではの思い入れで描いた力作と考えると、また、世界が広がります。
●側面のマットアロー1号はプラモデルでは未使用となっていますが、先発売のTOYで使用された物の使いまわしとなっています。新マンもブリキと同じイラストです。新マンの方は、そのままプラモデルに使用されました。
～マルサン バルタン星人～
誌面で話題にしたショウワノートはこれです。
このイラストは、当時のビクターEPレコードのジャケットにも使用されています。
画像は、梶田氏の画集から。お薦めの画集です。（洋泉社/2014年41月12日発行）
個人的に、このパゴスのイラストなんか、怪獣画として最高です！
●この時代は、ロゴなどにも良い仕事をしていました。マルサン「バルタン星人」タイトルロゴを見て下さい。主役じゃないバルタン星人にも、本気でロゴを作っています。
当時のプラモデルで、同じように「星」の文字が凝っているプラモデルがいくつかあります。まだまだありそうですが4種類紹介します。
流星号、流星仮面、バンデル星人、キケロ星人です。
●マルサン時代のバルタン星人のプラモデルには、2つばかりの有名話があります。
「電動のバルタン星人が企画されて、試作まで作られていた」と、「100円バルタンは本編ミニチュアとして、使用されている」です。
電動バルタンに関しては、簡単には調べられませんので、100円バルタンの本編使用を再確認してみました。 16話の「科特隊宇宙へ」で使用されていることになっています。
飛んでるのは、ソフビのバルタン星人ですね。
奥に小さい編隊も飛んでいるのが、プラモデルのようです。
ただ、私の見る限り、マルサンの100円バルタン星人とは違う気がします。
プラモデルを使っていたとしても、相当に改造されています。
絶版プラモデル関連の書籍で、マルサン100円バルタン星人が紹介されるときは必ず、本編で使用されたと紹介されます。絶版プラモに興味がある方には、当然のうんちく話となっています。私も、そのまま信じておりました。
手持ちの資料で、最初にこの話を紹介しているのはどの書籍か調べてみましたが、
先に紹介した昭和62年（1987年）発行の講談社の「ウルトラマン大全集」が一番古いみたいです。これを参考資料に、その後のライターさん達は引用していった気がします。
くらじたかし氏の「マルサン-ブルマァクの仕事」は発行が2000年前後なので、当然「ウルトラマン大全集」も参考資料としていると思いますが、こちらはマルサン関係者さんへのインタビュー形式の話をまとめたような作りなので、そこでも100円バルタン星人が使用されたとの話がでてきているのには「なぜ？」と、悩ましいところです。
絶版プラモデルの探究は本当に面白いですね。
ぜひ、今回の逸品も、コレクションにお加えください。
（みくに文具 上田大）
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