2026年5月30日土曜日

今井科学の「ビルつき 鉄人28号」

 ~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~

(第322回)
 
今回の絶版プラモデル情報局は、今井科学の「ビルつき 鉄人28号」を紹介します。

80年代、キャラクター絶版プラモデルというジャンルが、少しずつコレクションアイテムとして認知され始めた頃。
当時はまだ、「古いプラモデルに価値がある」という感覚自体が、一般にはそこまで浸透していませんでした。
そんな時代の中で、最初から別格の扱いを受けていたのが、鉄人28号のプラモデルでした。

当時のホビーコレクション界では、ブリキ玩具が“王様”のような存在。
その中でも、ブリキロボットの頂点クラスとして知られていた鉄人28号は、絶版プラモデルの世界でも自然と特別な存在になっていました。

60年代海外SFドラマのメカ系キットなどが注目を集め始めていた時代でも、鉄人28号だけは少し空気が違いました。
「古いプラモデルにも価値がある」という文化が広がる以前から、すでにコレクター達の憧れの対象だったのです。
そして、そんな鉄人28号シリーズの中でも、「ビルつき 鉄人28号」はまさに頂点、謎の逸品
当時から垂涎のコレクターアイテムとして、“王座”のような存在感を放っていました。

それが、今井科学の「ビルつき 鉄人28号」です。


⚫️ビルつき 鉄人28号
今井科学のファミリーシリーズNo.8
1965年9月発売。当時価格は120円箱サイズは20.7×14×3.5センチ

日本のキャラクタープラモデル第一号でもある鉄人28号。今井科学が商品化した鉄人28号のプラモデルは、当時40円の歩くマスコットから100円台の中堅シリーズ、さらに数百円の電動歩行シリーズまで幅広く商品展開されていました。その中でシリーズ最後を飾る商品になったのが、この「ビルつき 鉄人28号」です。

最後期の商品らしく、その構成は既に発売中の「ジュニア 鉄人28号」(当時100円)に、同じく発売されていた「ジュニア ビッグX」(当時120円)の鉛筆立てビル台座を組み合わせた内容となっています。

箱中の様子です。下箱には小袋がホチキス留めされています。
時間割や、背中のロケットから発射されるミサイル用の的ビニール袋の中に確認できます。

組立書です。キャラクタープラモデル創明期ということもあり、70年代のキットに見られるような、ボタンを押せば簡単にミサイルが発射できるような手軽なギミックは、まだ採用されていません。

当時の今井科学65年版カタログです。
上画像の完成品はカタログ掲載の白黒写真をカラー化したものです。


●レプリカの存在
「ビルつき 鉄人28号」には、1990年代にオーロラファンクラブが有料配布したレプリカが存在します。
箱や箱中のビニールタグにはカラーコピーが使用されているため、レプリカの存在を知らないと、当時物オリジナルと誤認されることがあります。
デカールやミサイルの的、時間割についてもカラーコピーで再現されています。

当時物オリジナルとの主な違いは以下の通りです。
●ビニール袋タグおよびミサイル用の的の色味。当時物はオレンジ寄りの赤色ですが、レプリカは赤色です。

レプリカはキャスト製のため、鉄人28号本体やビルなどの成型色はすべてウレタン樹脂そのままのカーキ色です。当時物オリジナルは2色成形で、鉄人は青色、ビルおよび台座は茶色となっています。

●箱のみの場合は写真だけで判断するのが難しのですが、当時のカラーコピー紙の性質上、箱の角や折り返し部分の印刷が擦れていることが多く、また光沢感も乏しいため何とか判別が可能です。



80年代当時、玩具系アンティークショップにデットストック品が3個(記憶では)入荷し、そのうちの1個が3桁万円で取引されたという話を店長から直接聞いたことがあります。
そのデットストック品こそが、現在確認できる数少ない現存個体であり、世に現存している唯一の個体の可能性もあるのではと考えています。


絶版プラモデルの探究は本当に面白いですね。
ぜひ、今回の逸品も、コレクションにお加えください。



(おまけ)
マルサン商店怪獣豆シリーズを動画にまとめてあります。ぜひ、こちらもご覧ください。
 
みくに文具 上田大)   
 

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