絶版プラモデル情報局: 昭和40年男　プラモ棚　第27回「スピルバーグ作品プラモ」　補足情報

~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~

（第249回）

今回の絶版プラモデル情報局は、「昭和40年男」最新号が好評発売中とのことで、連載している「みくに文具のプラモ棚」の補足情報をお届けいたします。

今号はスピルバーグ作品から「JAWS」と「未知との遭遇」のプラモデルを紹介しています。お手元の連載記事と共に補足情報をお楽しみ下さい。

●「JAWS」発売メーカーのアダー（addar）です。

アダー社は「猿の惑星」プラモデルが有名とのことで、シリーズを紹介します。

発売当時の国内広告などではアダール社と呼ばれていたこともありましたが、現在ではアダー社に統一されているようなので誌面ではアダー社としています。

もう一つのJAWSのプラモデルは、このボトル模型シリーズ。

空のボトルの中にJAWSの全身+サメ避けの檻というシチュエーションで、カラー画の背景で補完しています。
アダー社JAWSを紹介している動画がありますので、紹介しておきます。

ボトルシリーズは→こちら
今回紹介したJAWSの方は→こちら

アダー社はオーロラの関係者が設立させたアメリカの模型メーカーで、オーロラのオーナーが出資したとの記事もあります。設立約3年後の1976年末に倒産しています。　ボトル模型のJAWSよりも、後発売のこのJAWSのほうが相場が高いのは、倒産直前商品だったことで、流通数が少ないのと、出来が良いのでよく売れて現存数も少ないのが理由と思われます。

本文で紹介した2列の歯とカメオ風背景の画像です。

パッケージの「JAWS」の「J」文字は、映画タイトルと同じで釣り針をデザインしたものになってます。知ってましたか？

2022年6月、バンダイからホオジロザメのプラモデルが出ていますので紹介しておきます。

●「未知との遭遇」のプラモデル

版権シールも、「未知との遭遇」専用の物が貼られています。
パッケージ背景に違和感があったので、当時ポスターと見比べると、左右を反転で使用されています。「ポジの裏焼きミス？」と調べましたが、国内海外合わせて結構な割合で左右反転になっているようなので、どちらが正解かも不明です。

国内UFO（空飛ぶ円盤）ブームはいつぐらいだったんだろうと、手持ちのUFO書籍を調べると、だいたい昭和50年（1975年）6月前後に集中して出版されているので、この頃からのようです。

「未知との遭遇」の公開は1978年2月でプラモデルは5月発売。ということで、下地は出来上がっていたということです。

記事で紹介した「未知との遭遇」公開と同時に来たUFOプラモデルブーム。
今井科学は100円シリーズ。サニーは下写真と違うもう1種類出てます。これらは1978年7,8月ぐらいに集中して発売されています。

バンダイの「謎の円盤UFO」は「未知との遭遇」と同時発売です。もちろん、これは1971年売りの再販です。1971年発売の初版は小松崎茂氏のパッケージとなっています。

※サニー＆マルイのUFO画は「CREATING SPACE(MAT IRVINE)」より

さて、最大の疑問、箱の中身がアダムスキー型なのになんで「未知との遭遇」商品？ですが、その理由を想像してみました。
バンダイは当時、出版事業部もあり、「スターウォーズ」、そして「未知との遭遇」の書籍を出しています。

書籍の出版はプラモデルよりも少し前です。
プラモデル自体はアダムスキー型ということで、企画は進んでいたところに、出版事業部から「未知との遭遇」の版権とれるけどいる？みたいな話が伝わり、それならば知名度に便乗しましょうと、「未知との遭遇」ブランド商品になったのではないかと。あくまで、想像です。

記事で紹介した撮影テクニック＆注意書きのチラシです。