2017年11月30日木曜日

マルサン商店 電動怪獣「ゴメス」のプラモデル

~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~
(第118回)
 
今回の絶版プラモデル情報局は、マルサン商店の電動怪獣「ゴメス」を紹介します。

発売は1966年8月。当時450円で品番はART NO.496。箱サイズは34×26×6センチで、完成全高は24.3センチ。
リモコンにより両腕を振りながら電動歩行します。
ウルトラシリーズの中で最初に商品化されたのが、この「ゴメス」です。
組済み完成品は、マルサン電動怪獣の中では入手しやすい方ですが、角先が折れていたり、牙が無かったりのジャンク物が多いです。 


今回はゴメスの「未組立品」から、貴重な画像をじっくりと紹介します。

未組立の箱中構成です。マルサン電動怪獣は、第一弾が「ゴジラ」第二段が「バラゴン」、そして第三段が「ゴメス」となり、このゴメスから、リモコンの完成品が付属するようになりました。画像のリモコンは黒プラ製ですが、初期発売分は、青ブリキのリモコンになっています。

箱側面です。
側面に描かれている「ガラモン&ゴロー」「ペギラ&パゴス」は当時発売予告がされてた2個セット100円の告知と思われます。

別側面には「バルタン星人」と「ネロンガ」。コチラの面は、ガラモン箱と同じ構成です。



ゴメスのギヤボックスです。マルサン電動怪獣の初期に使われていた形状で、別売りのモーターをネジで留めるタイプです。
上画像下の2タイプがマルサン電動怪獣で良く見るギヤボックスです。ゴメスタイプのギヤボックスは、初期ラインナップのみで、使われていたのは、ゴジラ・バラゴン・ゴメス・ゴロー・ネロンガまでです。ネロンガはバラゴン金型流用商品なので初期発売組ではありませんがゴメスタイプとなります。
 

足軸は下画像のように割ピンで固定されているのが良くあるタイプです。


稀に、下画像のように足軸が割ピンではなく、プラ製のキャップで蓋接着するタイプがあります。

これは初期短期間発売された個体で、このキャップでの蓋接着タイプは、電動ゴジラやバラゴンの初期発売分にも見られる激レア個体となっています。
また、この初期発売分は、足裏パーツなどのランナー枠袋はマルサンのタグ付きとなっています。

 
顔アップです。


歯や牙もしっかりとモールドされています。
 
怪獣らしい、ゴツゴツした鱗モールド
背中の突起造形も見事です。
 
 
ウルトラQ、ウルトラマン含め、ウルトラシリーズプラモデルは、このゴメスからスタートしました。人口着色された箱絵、当時450円という高額商品、テレビ画面そのまま電動歩行する怪獣!!

マルサン電動怪獣「ゴメス」。絶版プラモデルコレクションアイテムの最高峰の一つです。


絶版プラモデルの探究は本当に面白いですね。
ぜひ、今回の逸品も、コレクションにお加えください。
 

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2017年11月20日月曜日

有井の「1/1 昆虫シリーズ」プラモデル

~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~
(第117回)
 
今回は有井製作所(アリイ)の「1/1 昆虫シリーズ」を紹介いたします。

有井の昆虫シリーズは長期に渡り発売され、現在3版まで確認されています。
 
 
●初版
有井のカタログ初登場が1974年版で当時価格は300円となっているところを見ると、初版は74年頃発売と思われます。

箱サイズは各小箱で約90×170×25センチ。キャラメル箱仕様
商品番号は4種共にKIT NO.80。80ということで、単品価格は80円。シリーズナンバーは、1)カブト虫、2)クマゼミ、3)ノコギリクワガタ虫、4)オニヤンマ。

下画像のように、「KIT NO.50」表記の個体も確認されているので、初期発売分はセット200円、単品50円だった思われます。


  
●2版
1982年頃発売と思われます。 箱サイズは初版よりも小さく、約105×150×30センチ。
初版と同じキャラメル箱仕様4点シュリンクパックで当時300円
商品番号は4種共にKIT NO.80。80ということで、単品価格は80円
2版から、「ノコギリクワガタ虫」は「クワガタ虫」に変更されています。 2版箱にはシリーズナンバーは振られていませんが、側面の商品紹介の並び順から、1)カブト虫、2)クマゼミ、3)クワガタ虫、4)オニヤンマのまま変更なしと思われます。
実は、初版と2版では金型が違います。詳しくは後ほど。



●3版
有井のカタログ1983年版に、3版のパッケージが初めて掲載されているので、発売は83年頃と思われます。上下箱で当時価格は100円。箱サイズは約100×171×30センチ。
シリーズナンバーは、初版とは異なり、1)カブト虫、2)クワガタ虫、3)オニヤンマ、4)クマゼミに変更。 袋中に昆虫ミニカードが入る。組立図は別紙の「昆虫のもの知りメモ」の裏側に掲載。



それでは、分かり易く各版違いを紹介
各版箱のサイズ&デザイン違いです。 各版を並べると、2版箱の横幅が短いのがわかると思います。

実はシリーズ4種共、2版から金型が変更になり、下図のようにランナー枠も横幅が短くなっています。(上から初版、2版、3版)

造形は同じですが、何らかの理由により、有井は2版時期に新規金型を製作したようです。
2版はランナー枠が小さくなったと言うことで、箱サイズも小さくなっています。
3版は袋に昆虫カードが入ります。画像に写っているのは昆虫カードの裏側です。
また、図のようにクマゼミのみ、羽色が初版と2版で変わります。オニヤンマは初版と2版は同色ですが、羽脈の描き方が若干変わっています。
 

有井のロングランヒット商品の「ミステリーバンク」が、サンキットというメーカーの金型再利用商品だったことは、以前紹介しましたが、実は、この昆虫シリーズも他メーカーの金型再利用商品でした。
元は宮内製作所の「精密昆虫シリーズ」です。1969年から発売されていたと言う記録がある商品で、下画像は単品発売をセット売りにした1971年の商品です。当時価格は300円。
初期に発売された物は、箱中に帯があり、クマゼミやオニヤンマの羽は有井版とは違うようです。
宮内製作所は、ゴジラのパチ物怪獣、「コジラ」のプラモデルを発売したメーカーとして有名です。
宮内製作所の活動停止後、金型を有井が引き取り、「昆虫シリーズ」の復活となったようです。



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