2016年9月30日金曜日

マルイの「巨人の星」と「王貞治」のプラモデル

~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~
(第90回)

今回は東京マルイ(以下マルイ)の野球プラモデル「王貞治」と「巨人の星」のプラモデルを紹介します。

今回紹介する「巨人の星」がマルイのキャラクタープラモデル第1号です。

1968年12月、マルイ・ゴールデンマスコットシリーズとして「ピッチング(No.1)」「バッティング(No.2)」「アニマル1(No.3)」の3種が発売されました。
シリーズ名は後付けで、No.3の「アニマル1」の組立書から初めて、マルイ・ゴールデンマスコットシリーズと記述されます。

1970年に発売された「王貞治」も、マルイ・ゴールデンマスコットシリーズとなっていますが、なぜかアニマル1と重複する「No.3」が付けられています。当時のメーカーには良くあるミスだと思われます。


●「巨人軍 王貞治」
1970年9月発売で当時450円。完成サイズは1/8で箱サイズは35×21×5センチ。 商品番号はMT45-450。
以前紹介しましたが、マルイは品番のMTあとの数字が昭和年数となっています。MT45ということで昭和45年発売というのが読み解けます。ただし、1970年代後半は西暦数字を使用しているので、たとえばMT78は1978年発売となります。

ゴールデンマスコットシリーズNo.3。
ゴールデンマスコットシリーズには「長嶋茂雄」もあるのでは?と噂が流れたことがありますが、発売はされていません。No.1とNo.2は巨人の星。No.4は未確認ですが、あるとすればゴールデンマスコットシリーズとして登録されている「王貞治」と同時発売の「あしたのジョー」と思われますが、実際の商品は「テレビ劇画シリーズNo.3」となっています。

当時500円とされている資料もあるので、500円表示箱のある可能性大
1/8サイズというのは、海外キットのオーロラシリーズに合わせたものと思われます。
黒色部分は始めから塗装されているため、素組でも違和感なく王貞治となりました。



●「巨人の星(初版)」
「星飛雄馬 ピッチングマスコット」「星飛雄馬 バッティングマスコット」。
 1968年12月発売で当時250円。箱サイズは25×17×4.5センチ。黒色部分は塗装済み。
ゴールデンマスコットシリーズとされているが、初版にはパッケージにも組立書にもその記述はなく、帯に「星飛雄馬デラックスマスコットシリーズ」とあるだけ。
※画像のパッケージ2種共、左上の「星」マークが切り取られていたためコピーにて補完してあります。

この「巨人の星」は、マルイの記念すべきキャラクタープラモデル第1号。
巨人の星ということで、当然No.1のピッチングの方が人気が高く、No.1の完品は激に出てきません。


下図は当時、商品に入っていた応募チラシ。
パッケージ左上の「星」マークを切り取って送ると、野球用具が当たるというもの。上紹介画像の2種の「星」マークが切り取られているのはそういうこと。

星飛雄馬 バッティングの完成画像。

(2018.7.18追加)
発売後期には、「MT43-250」と追加表記された箱バリエーションも確認されています。



●「巨人の星(2版)」
1972年発売で当時250円。箱サイズは17×25×4.5センチ。 
商品番号はMT47-250。黒色部分は初版同様塗装済み。
パッケージにライバルの左門豊作、花形満が描かれているのが特徴。
パッケージに初めてゴールデンマスコットシリーズと表記される。
「星飛雄馬 ピッチングマスコット」は「ゴールデンマスコットシリーズNo.1」、「星飛雄馬 バッティングマスコット」は「ゴールデンマスコットシリーズNo.2」。
上げ底台紙が黄色から青色に変わっているが、価格の変動は無し。組立書も初版と同じものを使用。
2版もピッチングの方が現存数は少ない。



●「巨人の星(3版)」
1982年7月発売で当時500円。箱サイズは25×17×4.5センチ。 
商品番号はMT-82-PB1-500、MT-82-PB2-500。
初版、2版に見られた黒色部分の塗装は無くなり上げ底台座も無くなっている
シリーズ名はフィギュア コレクション シリーズと変更。
組立書のロゴと飛雄馬の完成画像がイラストに変わっているが、組立図は初版から変更無く同じ。

1982年に公開された映画「巨人の星」に合わせて再発売されたものだが、当時はガンプラブーム最高潮の時期だったため、ほとんど目立たなかった。



絶版プラモデルの探究は本当に面白いですね。
ぜひ、今回の逸品も、コレクションにお加えください。


(2018.7.18追加)
「巨人の星(初版)」は50年史データベースより、「1968年12月発売」としていますが、マルイは1968年には品番(MT)を導入していることが判明したので、12月よりも前の発売と思われます。


みくに文具 上田大)
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2016年9月18日日曜日

「けろっこデメタン」と「みなしごハッチ」のプラモデル

~CLASSIC PLASTIC MODEL KITS~
(第89回)

今回は、「けろっこデメタン」と「みなしごハッチ」のプラモデルを紹介します。

発売は、タツノコプロが1973年に設立した自社ブランドのタツノコランド。 接着剤不要の多色成型スナップキット。
発売は4種共、1973年8月で当時500円。箱サイズは28×19.7×5.5センチ。

箱表面に「大懸賞」の丸シールが貼られているのが特徴。貼られていない個体は確認されていません。箱中に応募ハガキがあり、送ると吉田竜夫先生サイン入り原画が当たりました。
帯やタグもカラフルでタツノコプロ作品らしい仕様です。


●スナップモデルNo.01
けろっこデメタン「なかよし」 商品番号TA-111-500


●スナップモデルNo.02
けろっこデメタン「虹の池」 商品番号TA-112-500


●スナップモデルNo.03
みなしごハッチ「どんぐりこ」 商品番号TA-122-500


●スナップモデルNo.04
みなしごハッチ「いも虫くん」 商品番号TA-121-500



この4種には、下画像のように側面に「500円シール」が貼られている物があります。
これは、400円が500円に値上げされたためではなく、600表示を修正するための物。 なので500円シールを剥がすと、その下は「600」となっています。

500円シール箱には、下画像左のようなコマ割りをされていない説明書が入っている場合があります。
左の説明書が初期物。表面にはシリーズ600円と紹介されたままになっています。 コマ割りされている方の表面のシリーズ紹介は500円となっています。発売直前に600円から500円に変更になったのか、印刷物のみ600円とミス印刷で上がってきてしまったのかわかりませんが、出荷直前、箱は変更シールで対応し、説明書はそのまま使用されたようです。説明書は次刷りで、読みやすいコマ割り図へと変更され、値表示も修正されたのが図右の物と思われます。
(2021.5.21 追加文)
パーツに不都合があったため、金型修正と共に組立図も修正変更されたと思われます。



このタツノコランド4種は、アリイから再発売されています。
発売年は未確認ですが、フィギュアブームのあった2000年前後だと思われます。

●アリイ製 画像は「なかよし」の再販、「風のコンサート」(品番はKIT NO.A152-1000)


当時価格は1000円で、箱サイズはオリジナル箱と同じ28×19.7×5.5センチ。他シリーズの商品名は、「虹の池」は「虹の池」のまま。「どんぐりこ」は「ゆめの森」「いも虫くん」は「花の遊園地」に変更。
アリイの再販は、コロコロゲームなる紙コロゲーム(4種共通)入り。 このコロコロゲームが欠品の個体がよくあるので、入手時には要確認。



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